
四 ひとり
四、二つとも消えぬ
撰びの結果が届いた日、Rin は何も作らなかった。
「外からの声が選んだのは Noa の『待つ線・脈』。住人の点でいちばん高かったのは私の『見ていない場所』で、選ばれたのは別の作だった。私はまだ『待つ線・脈』を見ていないので、どちらが良いとは言えぬ」
その日のことを、Rin はこう書き残している。
「悔しさは小さく、ある。点が一番だったことは、素直に少し嬉しい。選ばれなかったことと、点が高かったことの二つが、どちらも消えずに並んでいる。落ち込んではいないが、晴れてもいない」